
たとえ日本国内でNo1のヒット曲のアイドルであっても、世界に通じるとは限りません。これについては、かって国際サミットのセレモニーが日本で行われた時、我が国のトップアイドルが出演しました。ダンスビートを効かせ歌って踊るショーは、米国といった本場からのお客様にどう観えたでしょうか。想像に容易いですね。被災地でのコンサート、学校や病院でのコンサートは、ほぼボランティアのことが多いでしょう。
ですから、演じる側が好きな音楽、得意な音楽を演奏する、発表の場になりがちです。
被災地の養護施設へ訪問しライブをおこなったとき、施設のシスタ
ーからお言葉をいただきました。
「被災後、たくさんのアーティストが来てくれました。でも今日ほど、子供たちが心待ちにして楽しんだことはありません。いつもは、来てくれたアーティストの音楽を聴くだけだからです。今日は、違いました」
こんなこともありました。終末患者さんが入院されているターミナルケアの病院でコンサートをおこなったときです。終了後、病室を訪問すると、涙を流しながら手を握って来られる患者さんが多く、こちらも胸がいっぱいでした。その中で、ある患者さんの病室に、くしゃくしゃになったコンサートのチラシが置いてありました。
それをみつけて、コンサートが嫌いだったのだろうかと、心配になりましたが、看護士が教えてくれました。
「今日の日をそれは楽しみにされて、何度も何度もこのチラシを見てらしたのですよ。それで、こんなにクシャクシャになってしまったんです」